データでみるベジタリアン(菜食主義)の健康効果!!
さて、前回は、少食による運勢と健康の改善についての説を取り上げましたが、
近年になって、世界各国で菜食主義に対する関心が高くなっているのは、事実でございます。
アメリカにおいては、1960年代まで、菜食主義は「特殊な食事習慣」と考えられていたのですが、
生活習慣病対策として、上院のジョージ・マクガバン議員が委員長となり、
2年の間、「食と健康」に関する世界的規模の調査を行った結果にもとづいて、
1977年に発表された「マクガバン報告」では、
「食事のカロリーのほとんどは、穀物、野菜、果実から摂取すべきである。植物性食品は、繊維質および健康に必要な多様なビタミンとミネラルを供給する。」
と謳われ、菜食主義に近い考えであったので、ベジタリアニズムへの関心が一気に高まったのでございます。
(・∀・)スンスンスーン
・・有史以後の菜食主義のルーツはインドであり、紀元前7 世紀頃より宗教上の戒律から肉食を避けたことが始まりとなります。
伝統的にインドでは、牛は神聖な生き物なので、牛肉を食べるなんてもってのほかでございます。
欧米においては紀元前5世紀頃、古代ギリシャのピタゴラスが動物愛護や倫理的理由による菜食主義者であったことが知られ、
その後、ヘロドトス、ソクラテス、プラトンへと受け継がれて、後に成立するキリスト教などにも影響を与えたようです。
・・そんな菜食主義は、人類の歴史とともに、現れては消えて・・を繰り返しており、その是非に関しては、人類の永遠のテーマに感じます。
菜食主義を分類すると、
1.ラクトオボベジタリアン(Lacto-Ovo-Vegetarian):
動物性食品のうち肉類・魚介類を避けるが、卵・乳製品は摂取する。また、このグループには、
①ラクトベジタリアン(Lacto-Vegetarian):乳製品は摂取するが卵は避ける
②オボベジタリアン(Ovo-Vegetarian):卵は摂取するが乳製品は避ける
が存在。
2.ヴィーガン(Vegan, 絶対菜食主義者):
肉・魚介類だけでなく、卵・乳製品を含む全ての動物性食品を避ける。蜂蜜さえ食べない。
3.セミベジタリアン(Semi-Vegetarian):
時々、魚介類や肉(鶏肉中心)の動物性食品を摂取する。
と大まかに、3つの種類に分けられます。
日本におけるベジタリアンの割合は、2014年の調査で、4.7%(ヴィーガンのみでは、2.7%)であり、5%未満にとどまります。
ちなみに、世界でも、菜食主義がさかんな国を挙げてみると、以下の表のようになります。
伝統的に、インドにおける菜食主義者の割合が多いのですが、
近年、菜食主義者の増加率が著しく高いのは、アメリカであり、
2009年には、たった1%程度しかいなかったヴィーガンが、2017年には6%まで増加しているのです
( ´゚д゚`)エー
そして、各国とも、若年層での菜食主義者の増加が顕著となっています。
菜食主義者になる理由としては、
1.健康上の理由:
ダイエットを含めた生活習慣病対策や、狂牛病、鳥インフルエンザ、そして、魚介類の「メチル水銀汚染」など人体に有害な物質の生物濃縮の問題を回避する目的が注目されています。
2.環境保護:
穀類や豆類などの植物性たんぱく質は短期間で生産できますが、
肉などの動物性たんぱく質は生産に何年もかかり、飼料となる穀類や豆類の必要量も増加するので、
結果的に、畜産は、植物の耕作に比べて、数倍~数十倍の耕地面積を要する上、森林伐採、土壌汚染などの環境問題を生じており、問題視されています
( ´゚д゚`)エー
3.動物愛護:
畜産業や動物実験など、動物への不適切な扱いが指摘されています
((((; ゚Д゚))))ガクガクブルブル
4.宗教上の理由:
上記を含め、宗教的な教義で禁止されているからといった理由です。
5.経済的理由
などが挙げられますが、とりわけ、諸外国を含め、日本でも「健康上の理由」が6割以上を占め、圧倒的に多いのでございます。
・・ちなみにマロのように、「食費を浮かすために納豆を食べまくる」という理由の菜食主義は、先進国では、もっとも稀な理由による菜食となっております
( ´゚д゚`)エー
日本の厚生労働省の「人口動態統計」によると、日本人の死亡原因の約6割が生活習慣病(がん・心臓病・脳卒中など)であると報告されています。
また、世界的に生活習慣病による問題が社会問題化している中、欧米の研究を中心に、「菜食」が生活習慣病に対して、有効であることが明らかとなっています
(´・∀・` )アラマァ
・・菜食と生活習慣病に関する研究の中で大きな役割を果たしたのが、セブンスデー・アドベンティスト教会という宗教団体です。
セブンスデー・アドベンティスト教会(SDA, Seventh-day Adventist Church)は、米国で誕生したキリスト教団体で、
『旧約聖書』レビ記の第11章で不浄とされる豚肉や鱗を持たない魚介類など動物は忌避すべきであるという考えに基づき、
ベジタリアニズム(卵と乳製品はOK)を奨励している団体でございます。
ちなみに、ケロッグ社の創業者ジョン・ハーヴェイ・ケロッグは、SDAの熱心な信者で、菜食主義を徹底し、神の道に辿りつくために「コーンフレーク」を発明したそうです
( ´゚д゚`)エー
そんな"SDA信者"の多くは、菜食主義者で、また、禁酒・禁煙を守る禁欲的な生活習慣を持っているので、
近年の生活習慣病と疾患の関係調査において、比較研究対象として扱われることが多く、
2000年の時点で「SD信者に関係したの健康調査に関する論文は250件以上発表されている」そうです
(ill゚д゚)
米国カリフォルニア州在住の35歳以上のSDA信者である22,940人を対象に5年間に渡って行った死亡率調査(AMS, Adventist Mortality Study)の結果は、
米国ガン協会が同時期に行ったカリフォルニア州在住の非SDA100万人の健康調査と比較され、1966年に公表されています。
その報告によると、なんと、SDA信者の全死亡率は、非SDAと比較すると48.6%にとどまり、また、がん死亡率は49.3%でしかなかったのです
( ´゚д゚`)エー
また、虚血性心疾患においても、SDA信者の死亡率は、カリフォルニア在住者の死亡率を100%とすると、
35歳以上の男性では26%、女性では20%
という大変低い結果となりました。
しかも、SDA信者の死亡率は、カリフォルニア州の一般住民の中の「非喫煙者」のグループと比較しても有意に低かったことから、
SDA信者の持っている「菜食」という食習慣が死亡率に大きな影響を与えていることが指摘されたのでございます。
このようなSDA信者の死亡率調査を含め、あらゆる健康調査のデータを元にまとめられたのが、
1977年の米国上院によって出された「マクガバン報告」であり、
さらに、1987 年には、米国栄養士会が、
「適切に計画された菜食は健康的で十分な栄養が摂取できる」
と公式に発表し、菜食支持の見解は、現在も引き継がれています
(・∀・)アヒャ
また近年の研究報告でも、
2012年4月に、ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of PublicHealth, HSPH)が発表したデータによると、
がんや心疾患を発症していなかった男性37,698人と女性83,644人を対象に、それぞれ22年と28年追跡調査し、4年ごとに食事に関するアンケート調査を行った結果、
「加工されていない赤身肉の場合、ステーキ1枚(トランプサイズ)を毎日食べることで死亡リスクが13%高まり、加工肉の場合は、ホットドッグ1本、あるいは2枚のベーコンで死亡リスクは20%高まる。」
ことが判明したそうです
( ´゚д゚`)エー
しかも、
「赤身肉に代わりに魚、鶏、ナッツ類、大豆食品、低脂肪乳などの食品をとると、逆に、死亡率は魚7%、鶏肉14%、ナッツ類19%、大豆10%、低脂肪の乳製品10%、全粒粉14%、それぞれ低下した。」
とも報告されておます
(゚∀゚ )!!
参考URL: https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/1134845
※研究に参加したハーバード公衆衛生大学院のFrank Hu教授
・・他にも、2015年10月に、世界保健機関(WHO)の下部組織である国際がん研究機関(IARC)が発表したデータによると、
「牛肉や豚肉を摂取した場合、1日100グラム摂取するごとに、大腸がんリスクが17%増加し、ハム・ソーセージ・ベーコンなどの加工肉の場合、1日あたりの摂取量が50グラム増えるごとに大腸がんのリスクが18%増加する」
と報告されています
ヒィー(((; ゚Д゚)))ガタガタ
さらに、2014年3月には、南カリフォルニア大学の長寿研究所のバルター・ロンゴ(Valter Longo)教授らによる「たんぱく質の摂取と死亡率との関連」についての研究が、科学誌「Cell Metabolism」に掲載されたのですが、
肉や乳製品などの動物性食品から、1日の総カロリー摂取量の20%以上を摂取していた50歳以上の人では、
たんぱく質が少ない食事の人に比べ、がんや2型糖尿病の発症が増え、なんと、死亡率は「4倍」に跳ね上がったのでございます。
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
参考URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3988204/
ロンゴ教授らは、
たんぱく質を多く摂取すると、
「インスリン様成長因子1(insulin-like growth factor 1, IGF-1)という細胞の成長や分裂を促進するホルモンのレベルが、必要以上に高まり、
その結果、異常な細胞増殖を引き起こし、「がん化」につながるという仮説を立てています
((((;゚д゚))))アワワワワ
そして、肉や乳製品の動物性たんぱく質は、がん、および全死亡率のリスクを高めましたが、
植物性たんぱく質では、影響がなかったのでございます。
・・また、この研究結果は、食肉に含まれる残留肥育ホルモン剤に対する危険性を連想させます。
畜産業では、なるべく早く市場に出荷するために、食用の家畜に「肥育ホルモン剤」を投与することが一般的であり、
そのようなホルモン剤を人間が摂取した場合、がん細胞の増殖を促進させる可能性が指摘されていて、
事実、EUでは「ホルモン牛肉」を輸入禁止にしているのでございます
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
調査によると、ある外国産の安価な牛肉には、日本国産に比べて、
数百倍の数値の残留ホルモン剤が検出されたそうです
アヒャアー(((; ゚Д゚)))ヒィーガタガタ
これらの牛肉をバンバン使用する外食チェーン店で、食事をする場合には、それなりの覚悟が必要なのでございます。
・・日本人に関する菜食主義者の健康状況についての調査は、なぜか圧倒的に少ないのが現状ですが、
詳細なデータを取るまでもなく、日本人に菜食主義が最適なのは明確です。
日本においては、『魏志倭人伝』(紀元前3世紀頃)によると、
当時は、米や雑穀を主食とし、野菜や魚介類は食べるが、畜肉は食べないセミベジタリアンのような食生活だったようにございます
( ´・∀・`) ヘー
また、6世紀頃伝来した仏教が日本人の思想に大きな影響を与え、
675年には、天武天皇が「肉食禁止令の詔」を発布して、
「牛、馬、豚、羊、鶏」など仏教でいう「五畜」の肉食を禁止したことをきっかけに、
日本では菜食が始まり、明治時代までは、伝統的に、米を主食に大豆などの豆類や野菜を食べ、時折魚介類を食べる食生活をしていました。
明治時代になると肉食が奨励されましたが、庶民レベルでは、昭和のはじめ頃までは、肉類や魚介類の消費はごく限られていました。
戦後、日本で畜産物など動物性たんぱく質の消費量が急激に増加しましたが、
これはアメリカの農産物販売戦略の影響であると指摘されています
(´・д・`)ソンナー
そのくせ、アメリカでは、菜食主義が見直され、近年では、ベジタリアンが急増しているというのですから、まことに皮肉な話でございます。
しかも、冒頭でご紹介した「マクガバン報告」の作成に当たっては、日本食が理想とされ、マクロビオティックをアメリカに広めた日本人である久司道夫さんの功績が大きかったというのですから驚きです
( ´゚д゚`)エー
ちなみに、マクロビオティックとは、玄米、全粒粉を主食とし、主に豆類、野菜、海草類、塩から組み立てられた食事をする健康法および長寿法です。
・・これって、歴史的には、ついこないだまで、日本の庶民が日常的に食べていた食事内容だったのでございます
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
つづく
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