アヌンナキの伝説⑤ マリア様になったイナンナ!?
前回、アヌンナキの女神・ニンフルサグとイナンナについてご紹介いたしましたが、
今宵は、シュメールの女神が、西側世界に、どのように浸透していったかについて考えてみたいのでございます
(・∀・)スンスンスーン
シュメール神話のニンフルサグと、エジプトのハトホル神は、大変よく似ています。
ハトホル(Hathor)は、古代エジプト神話の愛と美と豊穣と幸運の女神で、牛の頭を持つ女神として描かれます。
ニンフルサグも牛の角が生えた帽子を被っていることが多いのでございます。
※牛角が生えた帽子を被り、人間を抱くニンフルサグ(右端)
また、ニンフルサグは、人類創造に関わるなど母神を象徴する神ですが、ハトホルも母神の性格を持ち、クレオパトラなど女性ファラオが信仰していたそうです。
※母性を象徴するハトホル
ニンフルサグは、Ω(オメガ)で象徴されますが、ハトホル神の外巻きカールのヘアスタイルが、どうみても、Ω(オメガ)を表しており、両者は同一神と考えて間違いなさそうにございます。
(・∀・)ニヤニヤ
そんなハトホルは、古代エジプト神話における他の女神と同一視されて行きます。
例えば、エジプトで有名な女神イシス(Isis)は、ハトホルの化身とされているのでございます。
※左イシス、右ハトホル
・・イシスは、「ナイルの女王」とも呼ばれ、オシリス神の妹で妻でもあります。
また、ホルスの母で、地母神とみなされ、また、豊饒の女神ともされます。
※左ホルス、中央オシリス、右イシス
「ニンフルサグとイナンナ」の関係は、「ハトホルとイシス」の関係と同じであり、両者が融合していった過程まで、よく似ているのでございます
( ゚д゚)ポカーン
そして、時代が下るにつれハトホル崇拝はイシス信仰に統合される形で、ローマ帝国にまで広がりました。
・・そうこうする内に、紀元1世紀中頃から、キリストの弟子たちによって、初期キリスト教運動が起こり、キリスト教が誕生します。
当時の文化の中心はエジプトのアレクサンドリアであり、ユダヤ教も初期キリスト教も、ここが神学研究の中心地となっていたのです。
もともと、この地には、伝統的に「イシス信仰」があり、
また、キリスト教が生まれた時代は、地中海世界の共通語はギリシャ語だったのですが、
イシス信仰は、すでにギリシャ文化にも根付いていました。
そのため、イシス信仰をはじめとするエジプト神話がキリスト教の成立に影響を与えたことは容易に想像ができます。
ちなみに、イエス・キリストとエジプト神話のホルス神については、
①母親が処女懐妊後に誕生
②誕生日が、12月25日
③厩で誕生
④誕生した際、星に導かれて東から三賢人(あるいは王)が駆け付けた
⑤12人の弟子がいた
⑥十字架に張りつけられ埋葬されたが、3日後に生き返った・・
など、酷似しています
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
結局、イエス・キリストの伝説は、エジプトのホルス神をモチーフにしているのは間違いありません。
(※ただし、だからといって、キリストが存在しなかったという意味ではありません)
キリスト教の隆盛とともに、4世紀頃には、ローマ・ギリシャ方面からイシス崇拝が消えましたが、実際には「マリア信仰」に置き換わっただけなのです。
キリストそのものが、ホルス神なのですから、聖母マリアが、ホルスの母である女神イシスと同一視されても、何ら不思議はないのです
(´・∀・` )アラマァ
また、前回の記事で、ニンフルサグの地母神としての性格は、イナンナに受け継がれたことをご紹介しましたが、
そのイナンナが、ヨーロッパに伝播する中で、主に二つの変遷を辿ります。
①イナンナ(Inanna)→イシュタル(Ishtar)→イシス(Isis)→聖母マリア
②イナンナ(Inanna)→イシュタル(Ishtar)→アスタルト(Ashtarte)→アフロディーテ(Aphrodite)orヴィーナス/リバルタス(Venus/Libertas)
イナンナが、バビロニアに伝わったものがイシュタルで、
その後、フェニキアの「アスタルト」になり、
そして、エジプトのイシスなど、各方面で信仰される女神となっていったと考えられています。
そう、イシス神は、イナンナがモデルだったのです
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
ちなみに、フェニキアの「アスタルト」は、
ギリシア神話では、「アフロディーテ」と同一視され、
さらには、ローマ神話のヴィーナス/リバルタス(Venus/Libertas) となります。
イシスもイシュタルも、どちらも元は、同じ神(シュメールのイナンナ)なのですが、イシスは聖母(褐色のマリア)となって行くのに対し、
バビロニアの女神イシュタルがフェニキア経由で、西方に伝わった女神たちは、
ローマ時代以降、特にキリスト教が国教となってからは、
性的な要素が強いという理由で悪魔アスタロト(Astaroth)とみなされ、イシュタルに至っては、「バビロンの大淫婦」と大バッシングを受けてしまいます
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
アスタロトは、ルシファーなどと並ぶ大悪魔のひとりとされてしまいましたが、
金星と縁が深いこれらの女神たち同様、
ルシファー自体も、「金星の神」として象徴されているのが興味深いところです
( ´゚д゚`)エー
・・・キリスト教において、マリア信仰は切っても切れないほど重要であり、
現在でも、偶像崇拝が禁じられているはずの西方キリスト教世界においても、無数の「黒い聖母マリア像」が存在し、信仰や巡礼の対象となっています。
・・マリア信仰は、4世紀頃、ガリアの地(現在のフランスを中心とする地域)において、ドルイド教のケルト人たちをキリスト教化する際に、
布教の方便として、当時のケルト人たちが信仰していた地母神信仰と聖母マリアを結びつけたことが元になっているそうです
(; ・∀・)
その過程で、キリスト教勢力は、聖母マリア以外の、異教徒による女神信仰は、悪魔扱いにしてしまったのです。
( ´゚д゚`)エー
そして、5世紀以降には、キリスト教時代の地母神信仰の受け皿として、聖母マリア信仰は大いに流行したといいます。
また、キリストの復活を祝う「イースター(復活祭)」も、実際には女神信仰が影響しているようです
( ´゚д゚`)エー
「イースター」のシンボルは、生命のはじまりを意味する「イースターエッグ」と、多産のウサギである「イースターバニー」になります。
欧米では、彩色されたイースターエッグと、チョコレートで作られたウサギをカゴに入れてプレゼントする風習があるのです。
ここで使われるウサギは、イースターバニー(Easter's bunny)と呼ばれますが、
春になると交尾を始めるウサギは、昔から豊かさと多産(fertility)、あるいは、"sex"の象徴だったのでございます。
・・アメリカの有名な雑誌『PLAYBOY』から誕生したマスコットであるバニー・ガール(bunny girl)が、性的なイメージを連想させるのも偶然ではないのです
( ´゚д゚`)エー
つまり、どう考えても、「イースター」は性的なニュアンスが強いのです
(;・∀・)
そして、イースターはキリストの復活を祝うものなどではなく、
イースター(Easter)の語源は 女神イシュタル(Ishtar)から来ているのであり、
「イシュタルの豊饒や多産」を卵で祝ったと言われますが、
・・他にも、天の女主人であったイシュタルが「卵型のUFOに乗って地球にやってき」のを祝ったというトンデモ説もあります
ヒィー(((; ゚Д゚)))ガタガタ
ちなみに、「レディーガガ」が売り出し中の頃は、「イシュタルの卵から生まれた」という設定でございました
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
・・当然のことながら、キリストの生誕そのものが女神信仰と密接に関わっているのであり、
マリアと幼いイエスの聖母子像は、
エジプトの「イシスと息子のホルスの聖母子像」に対応します。
また、「イシスとホルス」母子は、バビロニアにおけるイシュタル(セミラミス)と息子タンムズ(Tammuz)の聖母子像が原型となるのです
(ill゚д゚)
さらに、世界最古の母子像は、
メソポタミアで出土した紀元前3700年頃の「乳児を抱く蛇頭女性像」ですが、これは上記の聖母子たちのテンプレートとなるもので、
この女神像がイナンナ像とも言われているのです
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
・・結局、イナンナは、キリスト教世界においても、ちゃっかり入り込んで、「聖母マリア」として崇敬を集めていたということになります。
・・・しかし、これほど根強い地母信仰でありますが、
男権主義が強く、偶像崇拝を禁止している西方キリスト教世界では、プロテスタントはもちろん、カトリック教会も、マリア崇拝(Mariolatry)を公式に認めているわけではありません
( ´゚д゚`)エー
つづく
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コメント
古代女神と聖母マリアは一見似てるように見える。
けど実は祀り方が決定的に違っていて
聖母マリアは祈りを捧げるのに対し
古代女神は乱痴気騒ぎと人を生贄にする儀式が行われていた
投稿: | 2019年12月 2日 (月) 22時02分
たしかに、古代女神に対する信仰は、とても熱狂的なものが多く、女神に男根を捧げたり、性的な要素が強いという特徴もあったようですね。仏教でも、例えば、チベット仏教では性的な描写が観察されたり、やはり、信仰も地域性によっていろいろと変遷するのかも知れません。
投稿: アゲ麿 | 2019年12月 4日 (水) 17時11分