アヌンナキの伝説② エンキとエンリルの兄弟喧嘩!
さて、前回、シュメール神話に登場する「天から地上に降り立った者たち」ことアヌンナキについてお話ししましたが、
今宵は、アヌンナキの中でも、主要な神であるエンリルとエンキについて、考えてみたいのでございます
(・∀・)スンスンスーン
エンリルとは、シュメール語で、「en = "王"」、「lil = "風"」を指し、嵐や力を象徴する神です。
「野生の雄牛」という異名を持ち、荒れ狂う性格をしています
(ill゚д゚)
また、エンリルは、天空神であるアヌ(ゼウス)の正統な王位継承者であり、No.2ではございますが、事実上、アヌンナキの総司令官的な立場であったようです。
エンリルの姿は、「ヒューマノイド型」のエイリアンで、現在の我々と、同じ姿をしていたそうです。
しかし、エンリルは、たいへん畏れ多い神であったため、その姿を直視できた者が少なかったことや、
風や大気といった自然現象を象徴する神であったために、具体的な姿が、あまり残されていません
(;・∀・)
ですが、エンリルは、その性格や王権の象徴という意味から、雄牛や獅子として表現されることが多いのでございます。
また、古くから「カナンの地」で信仰されていたバアル神は、その特徴からエンリルを彷彿とさせます。
バアルは、嵐と慈雨の神で、その図像は二本角のついた帽子や兜、棍棒や槍(稲妻)を手にした武神として描かれます。
バアル神は、海神ヤムという兄を持ち、抗争を続け、ヤムを倒して王権を手にしたというエピソードは、まさに、エンリルと、その兄であるエンキの関係によく似ています
(; ゚Д゚)
しかし、エンリルは、憐みや情けなどの感情が薄く、むしろ、個人的な欲求から破壊行為を次々と引き起こしていく迷惑な神で、神々の間でも持て余されていたようです
(ill゚д゚)
例えば、異民族の侵入による都市の滅亡や、洪水などの天変地異、疫病の流行など、人類にとってのネガティブな事象の原因その全てが、エンリルであったとされます
( ´゚д゚`)エー
「鬼や~、あんたはんは、鬼や~~!」
(; ゚Д゚)ゴルァ!!
まさに、エンリルは「鬼」そのものであり、鬼が牛の角を生やし、虎のパンツを履いているのも、エンリルが雄牛と獅子を象徴としているからに他なりません。
『大空魔竜ガイキング』(1976年東映)も、明らかにエンリルの影響を受けているようです
( ´゚д゚`)エー
しかし、嵐は、大規模な被害を招く一方で、恵みの雨をもたらし、
動植物にとっては欠かせない側面を持ち、
エンリルは破壊と創造、そして、世界秩序を象徴しているとも言えます。
エンリルはシュメール統治をあずかる最高神であり、王権を授与する神として捉えられていたのでございます。
エンリルの任命を受けることで、統治者はその正当性を示すことができ、
王に敵対することは、エンリルに敵対することと看做され、敵対者は、秩序の破壊者とされて打ち取られました。
また、多くの侵略戦争はエンリルの名の下で行われたといいます
((((; ゚д゚))))アワワワワ
・・結局、旧約聖書におけるヤハウェは、エンリルであると考えらえます
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
(※ヤハウェは、明らかにライバルとされたバアル神からその性格を引き継いでいます・・)
ヤハウェの出現に際して、雷や稲妻を伴うことが多く、風の神エンリルを思い起こさせます。
また、ヤハウェが、姿を見せない神であり、偶像崇拝を禁じているところも、肖像がほとんどないエンリルの特徴と一致します。
※角が生えた預言者モーゼの像(ローマのサンピエトロ大聖堂)
ヒィー(((; ゚Д゚)))ガタガタ
そして、ユダヤ教やキリスト教ばかりでなく、イスラム教におけるアラーの神も、エンリルと考えらえるのです
(ill゚д゚)
つまり、エンリルは、今も地球に君臨し続ける最高神といえるかも知れません。
日本では、素戔嗚尊(スサノオ)の暴力的な描写は、エンリルの性格を受け継いでいるように感じます。
たしかに、スサノオの別名が牛頭天王です。
また、エンリルには、エンキという兄がおります。エンキは、アヌ王の長男です。
エンキは、シュメール語で、「en = "王"」、「ki = "地"」の意味です。
当初は、「地球の王」として君臨しておりましたが、
出自の関係で、王位継承においては、弟エンリルの後塵を拝する形となっていて、
地球の支配権は、後から地球にやってきたエンリルに移されます
(´・ω・`)ショボーン
エンキは、「水の神」とされますが、知識・魔法・神性をも司り、科学者の側面がある一方、 繁殖や豊穣も象徴していたようです。
また、死後の世界との関連が指摘されています。
エンキは、蛇族(レプティリアン?)の血を引いているとされ、半人半蛇の姿で描かれることもあります
( ´゚д゚`)エー
※左端がエンキ
さらに、水と関係が深いことから、半魚人のようなスタイルで描写されたりもします
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
また、エンキは、象徴的に、蛇や龍(ドラゴン)、そして、一角獣(ユニコーン)としても表されます。
前回のブログでご紹介いたしましたように、人類の創生に直接関わったのがエンキであり、
妹のニンフルサグと共に、「ルル・アメル(原始的労働者)」として人類を誕生させました。
日本創世神話におけるイザナギは、ナギが「蛇」を表すことから、エンキを表現しているようです。
また、古代中国神話に登場する人類創造したという伏羲(ふっき) と女媧(じょか)は、
人首蛇体で表され、兄妹だとされていますから、エンキと、その妹ニンフルサグを彷彿とさせます
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
さらに、エンキは、ギリシャ神話では、「プロメテウス」となり、人間を創造したと言われています。
プロメテウスは、ゼウスの反対を押し切り、「天界の火を盗んで人類に与えた神」としても知られます
(ill゚д゚)
※プロメテウスによる人類創造(3世紀頃のローマ時代のレリーフ)
そして、エンキは、キリスト教世界では、龍を象徴するサタン、ルシファーの原型となっているようです。
・・・文科系でオタクっぽい兄エンキと体育会系で直情型の弟エンリルは、とことん性格が合わなかったようです
(;・∀・)
※左がエンキ、右がエンリル
地球に来た後も、エンキとエンリルは争っていたようで、
※左がエンリルで、右がエンキ
※エンキはユニコーン、エンリルは雄牛がシンボル
※左がエンキを象徴するユニコーン、右がエンリルを象徴するライオン
地上に投げ出されたスサノオが、ヤマタノオロチを退治する場面などもそのような兄弟間の戦いをモチーフにしているのかもしれません
(ill゚д゚)
両者が、取っ組み合いの喧嘩をする程度であれば、問題ないのですが、
両者の対立は、人類を巻き込んだ戦争に発展し、
エンキとエンリルの闘いで核兵器が使われ、
地球は核で汚染され、前期人類は滅びたと言われています
アヒャアー(((; ゚Д゚)))ヒィーガタガタ
※「バビロン、シュメール、新石器時代の地層の下に"トリニタイト"が発見される」
1947年2月16日"New York Herald Tribune"
関連記事:
http://cho-inoshikacho.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/post-5cbe.html
・・両者の対立が決定的になったのは、「人間の扱い」に関してであったそうです。
人間を改良し、知性を与えようとするエンキと、それに反対するエンリルの構図です。
もともと、エンリルは、人間の存在を快く思っていなかったようです
(;・∀・)
『旧約聖書』では、蛇神だったエンキが、アダムとイブに、知恵を授けた「蛇」として表現されているようです
(ill゚д゚)
※蛇が、イブに、「知恵の実」である、「リンゴ」を食べるように、勧めている場面
このエンキの行為に激怒したエンリルは、アダムとイブを、エデンの園から、追い出してしまったようです
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
※アダムとイブを追放するミカエル(エンリル?)
また、驚くべきことに、シュメール神話においても、『大洪水伝説』があったようで、古バビロニア時代の粘土版で出土していますが、
その内容としては、以下の通りです。
・・・アヌとエンリルが、堕落した人間を滅ぼすために大洪水を起こすことを決定するが、
エア(エンキ)が、神々への信仰心の篤い人間で神官でもあったジウスドゥラ(『ギルガメッシュ叙事詩』では、ウトナピシュティム)に、
大洪水が起こることを伝え、ジウスドゥラは、エアの忠告に従って、巨大船を造って洪水に備えた・・・
『旧約聖書』の「創世記」の「ノアの方舟」の物語とそっくりです
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
・・旧約聖書のヤハウェは、大洪水で人類を滅ぼすのかと思いきや、なぜか、ノア一族を助けるなど行動が矛盾していますが、
シュメール神話では、大洪水を起こしたのがエンリルで、人類を救ったのがエンキであり、両者が別々の神々であるとすれば納得できます
( ゚∀゚)!!!
ヤハウェ神を崇拝した最初の人間である旧約聖書のアブラハム自身が、
シュメールの古都・ウルの出身であるので、旧約聖書そのものが、シュメール神話の影響を受けていても不思議はないのでございます。
・・結局、「人類を、奴隷のままにしておこう」というエンリル側の価値観に近いのが、
「ユダヤ教」や「キリスト教(カトリック派)」であり、
蛇を悪魔とみなすことによって、暗に、エンキを、貶めているのでしょう。
・・それに対し、「人類は、智慧や知識により解放され、自立するべきだ」というエンキ側の価値観を汲んでいるのが、
「ゾロアスター教」やキリスト教の「グノーシス主義」なのかも知れません。
人類は、無意識のうち、いずれかのグループに取り込まれているようですが、
基本的に、人間界で権力を持った側は、人々を支配しやすいように、秩序を重んじるエンリル寄りの考えになる傾向があるようです
(´・д・`)ソンナー
そんな、「エンリルとエンキの対立」は、
牛、ライオン VS ユニコーン、ドラゴン
の図柄によって、現在でも象徴的にみることができます。
イギリスの王家の紋章
エリザベスⅡ世の紋章
ユダヤ系金融資本家を代表する一族であるロスチャイルド家の紋章
そして、なんと、日本の皇室でも、獅子と一角獣の紋章を使っているというのだから驚きです
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
また、京都御所の清涼殿にも、「一角獣と獅子」の像が配置されています。
そして、日本の神社でも、この象徴は獅子と狛犬として現れています。
※京都の神社における獅子と狛犬
・・ちなみに、飛鳥時代に、日本に、獅子が伝わっていたようですが、
平安時代の『類聚雑要抄』では、
「獅子は左に置き、"黄にして口を開き"、右の"胡摩犬は色白く口を開かず、角あり"」
と、明確に区別するようになっているのでございます。
(; ゚∀゚)
また、山口県の古墳で出土した3~4世紀に制作されたとされる、
「三角縁竜虎鏡」の龍をよく観ると、一本角であり、ユニコーンとも取れるのです
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
エンリルとエンキは、古今東西の宗教や権力にとっては、けっして、無視できないのかも知れません。
そして、エンリルVSエンキの骨肉の争いは、エンリルの子孫であるイナンナVSエンキの息子マルドゥクの対立に引き継がれたそうです
工エエェェ(´゚д゚`)ェェエエ工
つづく
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コメント
エンキとエンリルってマッチポンプというか双頭戦略というか
周期的に権限が移って神と悪魔の役割が入れ替わっている気がします。
1611年周期で文明が移り変わるガイアの法則で言うと
西回りスピン(科学重視文明)がエンキ担当で
東回りスピン(精神重視文明)がエンリル担当なのでしょうか?
ちなみに、劇場版まどかマギカ叛逆の物語EDでは
暁美ほむら(ルシファー)側は文明的な背景が流れ
鹿目まどか側は自然的な背景が流れていましたよ。
投稿: | 2019年12月25日 (水) 18時51分
大変わかりやすく説明されており、自身のブログで紹介させていただきます
ありがとうございます!
投稿: MW | 2021年8月 7日 (土) 14時01分